現在、狆(ちん)はあまりペットショップでは見かけなくなった犬種です。
日本には様々な外国原産の犬があふれており、
日本犬にあまり人気がなくなっているのが現状だと言えます。
狆という名前からは、中国あたりの犬であることを想像しますが、
日本原産の犬です。
顔は広く、目は大きいのですが左右に離れていて、
鼻はつぶれた形をしています。
このように個性的な顔をしていますが、
動きは上品で、とてもおしとやかな印象を受けます。
狆が日本であまり販売されていないのは、
繁殖力が弱いということが原因の1つです。
狆にはあまりたくさんの子犬は生まれず、
生まれてすぐに死んでしまうこともあります。
しかし、狆の体自体は丈夫で、あまり病気の心配をすることはないでしょう。
長生きする狆も多く、手入れやしつけが簡単なので、
犬を飼ったことのない人でもとても飼いやすい犬種だと言えます。
海外ではジャパニーズ・チンと呼ばれ、
狆の独特の雰囲気と扱いやすい性質を好む人が多いのに対し、
日本では狆という犬をよく知らない人が多いようです。
それは、実際に取り扱っているペットショップや狆の専門書が少ないため、
犬を飼いたいと思っている人に対するアピール力が
少ないのは仕方のないことかもしれません。
おしとやかで、上品で、賢いのが狆の特徴です。
昔から日本の上流階級で飼われてきただけに、
ものごしが優雅でおっとりとしています。
全く攻撃的なところがなく、
知らない人や犬とも仲良くすることができ、社交的です。
むやみにわがままをいったり、いたずらをしたりしないので、
子供がいても安心して飼うことができます。
最初はあまり狆の良さを知らなかった人でも、
一度狆を飼うと、次に犬を飼う時も狆を飼いたい、
と言って続けて飼う人が多いようです。
古くから人間とともに暮らしてきた犬なので
人間との付き合い方を心得ており、
飼い主を困らせることもなく、とても飼いやすい犬種です。
飼い主を喜ばせることが好きなので、
その特性を生かして色々な芸を教えることもできます。
訓練の際も、狆はもの覚えがよいので教えやすいのが特徴です。
犬種によっては、狩猟犬だったり回収犬だったりと、
様々な役割のもとで飼われていたという歴史をもっていますが、
狆はペットとして飼われていたという記録しかありません。
実際に、体が小さく、力も弱いので
人間の作業を手伝ったりすることができず、
また環境の変化にも弱いので
飼い主が大事に扱わなければならない犬種であることはまちがいありません。
しかし大事にすればするほど、狆は愛情を返してくれる犬なので、
よき伴侶犬になってくれるでしょう。
狆は日本原産の犬ですが、海外の方の知名度が高いという珍しい犬種です。
実際、狆に関する飼育方法や専門的な書物は、日本ではあまり見かけません。
そのために日本での知名度が低いことが理由として挙げられます。
狆の歴史の中では、一時期絶滅寸前となったことがあるほどです。
その当時は、海外の狆を連れてくることでその危機を免れるのですが、
いつ狆は海外に渡ったのでしょうか。
狆が海外に持ち込まれたのは、江戸時代後期だと考えられています。
日本が開国した時にペリーが来航したことはよく知られていますが、
その時に狆のつがいを日本から送られ、アメリカに持ち帰りました。
その狆がアメリカからイギリスなどのヨーロッパで広まり、
飼われるようになったようです。
その当時の狆はあまり小さくなかったので、
小型のイングリッシュ・トイ・スパニエル
という犬と交配させて小型化させています。
持ち帰られたつがいが、犬好きで知られている
ビクトリア女王に贈呈されたという事実も
狆の知名度を上げるのに大きな影響を与えています。
ビクトリア女王のおかげで、世界中で評価を高めた狆は、
今や様々な国で飼われています。
狆は中国原産のベキニーズと血統的なつながりがありますが、
ベキニーズはシーズーやパグの祖先犬です。
シーズーやパグが個性的な姿の犬として人気を博しているのと同じように、
狆も日本での知名度を上げることができる可能性があるといえます。